こんにちは。
お金の先生「ヨタ比古」と申します。
今回からお金に関してのお話をさせていただきたいと思います。
テーマは「子供にお金の話をしてもいいの?」です。
「そもそもお金の話って子供にするべきなの?」と考える方は多くいらっしゃると思います。
今回はお金について解説していく前に、子供に教えるべきかどうかについて、ご両親向けにお話をさせていただきたいと思います。
まず、どうしてこんな記事を書こうかと思ったかというと……
「大人になってからお金について学ぶのは遅いんじゃないか?」と考えたからです。
かくいう私は前職で銀行に勤めておりました。
銀行ではお客様のお金を預かったり、銀行のお金を貸したり、お金に関する仕事をしているなかで、お客様からよく言われることがありました。
「どうしてお金の話って学校で教えてくれないのかしら?」
その言葉を聞いた時「確かに、なんで教えてくれないんだろう?」と私も思いました。
思い返せば、私が高校生になるまでお金について授業で学んだ覚えがなく、高校の政治経済の授業で初めて学んだと思います。
事実、日本の高校3年生までに実施した金融経済教育の最も多かった実施時間は1〜5時間と非常に少なく、中学1〜2年生では0時間というデータが出ています。

授業内容は「消費者問題と消費者保護」が7割前後、「消費者の権利と責任」については5~7割程度あり、消費者関連のテーマが高い割合を占める 一方、「お金の大切さや計画的な使い方」「労働とお金」といった実用的な内容は、中学校・高校6年間を通じて3割弱にとどまっているのが現状です。
上の内容からわかるように、「お金についての理解」は必要なことなのに、学校ではあまり教えてくれない。
そこで、お金についての記事を書くことにしました。
子供にお金の話をしてもいいの?

子供からお金についての質問をされることがあると思います。
私はお金について「教えてもいい。ただし、いくつかのルールがある」と考えています。
子供がせっかくお金について興味を持ったのだから、大人としてキチンと答えてあげましょう。
もし、答えないではぐらかした場合、子供はお金=悪いもの、恥ずかしいものと思ってしまうかもしれません。
なので、できるだけ親身に答えてあげてください。
お金については子供でも知っておくべきこともたくさんあるので、お父さんお母さんがお子様にわかりやすく説明できるように、できるだけ専門用語は使わないように、優しめにお話させてもらえたらと思います。
あくまで個人の意見ではございますが、参考にしていただけたら幸いです。
具体的に伝える

教えるときに気をつけるのが、できるだけ具体的な数字で伝えることです。
もし、両親(大人)と学校の先生(大人)の話した数字が違っていたらどうでしょうか?
どうして違うのだろうと子供は困惑してしまいます。
先生の場合、教科書に基づいた話をされる可能性があり、そうするとご両親の意見が間違えていることもあるので、大変かもしれませんがネットで調べて、できるだけ正しい数字を伝えることを心がけてください。
子供に話さなくていいもの

教えることは賛成です。
ただし子供に話さなくていいものがいくつかあります。
収入

収入の具体的な数字を話した場合、子供はその数字で比較ができてしまいます。
自分の家がお金持ちなのか気になり、友達に親の年収を話してしまうかもしれません。
また、自分の家が裕福でないと知ると、優しい子供ならお父さんお母さんに負担をかけたくないと、今までより遠慮してしまうかもしれません。
実際に、収入が多くても子供にかける費用が少ない方もいらっしゃるかもしれません。
逆に、収入が少なくとも子供に費用をかけているお家もあるでしょう。
費用についても、お金をかけたから必ずしも良いものであるとも限りません。
なので、自分の家の比較ができてしまう年収については話さない方が良いでしょう。
貯金額

貯金額の場合、収入同様に数字の比較ができてしまうため、多ければお金持ち自慢として友達に話してしまうかもしれません。
逆に少なければ外食や買い物で遠慮してしまうかもしれない。
あまりに多いと、空き巣や強盗のリスクが高まってしまうかもしれません。
このお金が将来的に渡り使っていくものであることが理解できず、一度に使える金額と思ってしまうかもしれません
子供にかけている費用

学費や習い事の金額は避けましょう。
子供が、自分にそれだけお金がかかっていると理解すれば、逆にプレッシャーにもなるかもしれません。
塾の先生がお金で成り立っている関係だと思ってしまう可能性もあります。
プレゼントの金額も同様、いくらお金がかかっているとわかると、本当に欲しいものを言わなくなるかもしれません。
他人のお金の評価

お父さんお母さんがお金という一つの尺度で人を評価した場合、子供は他の人もお金で評価するようになってしまうかもしれません。〇〇さんはケチだのだらしないなど、人によってお金の価値観も変わるので、そう思ったとしても子供の前ではグッと堪えてください。
お金はセンシティブであり、生活に必ず必要なものなので、皆さんもこれは伝えていいかしっかりと考えてみてください。
子供によるお金の失敗談

子供が知らないうちに課金してしまったケースが多発しております。
米Amazonは、2011年11月から2016年5月の間に得ていた「子供向けのモバイルアプリで親の承諾なく得た売上約7000万ドル(当時約78億円)」の返還を開始しているという記事が掲載されました。
同様の問題はアップルのApp StoreやGoogle Play Storeでも発生したことがあり、アップルは3250万ドル(当時約36億円)以上、Googleは1900万ドル(当時約21億円)の返還に応じたと書かれています。
スマホ内の課金ではパスワードの入力なく課金できてしまう金額が設定されており、課金意識の無い子供がゲームに夢中で購入してしまった例は世界共通にあるようです。
海外の金融教育事情

海外では金融教育が必修科目とされている国もあります。
イギリスでは金融教育が全ての学年で行われています。
お金とは何か、どうやって生み出すのか、使い方といった基本的なことから、お金の管理方法や予算計画の立て方まで学びます。具体的に小学3~6年生には老後資金や住宅ローン、支出から得られる満足度などについて学校で学びます。
アメリカでは州によって異なりますが、小学5年生までにさまざまな預金や信用能力についての知識を身につけるよう指導しています。また、ウィスコンシン州ではパーソナルファイナンスの授業を高校の必須科目に定め、借地・借家契約書の読み方、投資、ローンの返済方法などについて教えているほどです。
まとめ

このように日本の子供への金融教育はアメリカやイギリスに比べると遅れています。
子供からしたら、お祭りの屋台やコンビニ、ゲームセンターなど、お金を利用する場面は多くあり、正しいお金の価値や知識を身につけてもらえればお金での失敗も減ってくるのではないでしょうか。
今回は親御さん向けに「子供にお金の話をしてもいいの?」をテーマにお話させていただきましたが、次回からはお子様向けにお金の必要性や仕組みについてお話させていただきたいと思います。
コメント